佐渡市泉地区、正法寺(しょうぼうじ)で開催された、蝋燭の明かりの下で舞われる「ろうそく能」を鑑賞して来ました。
参道の両側が、竹の波、波、波。 一面の海原。
夕方には、足元に蝋燭の明かりが灯され、いっそう幻想的な空間に。
表千家流 友の会による、世阿弥を懐かしむ、呈茶席「配所の月」のサービスがありました。
「 げにや罪なくて配所の月を見る事は故人の望みなるものを身にも心のあるやらん 」 「 金島書 」 … 配所 … より
本堂では、まず、壇徒の方々によりリン( 鈴 )を鳴らしながらの梅花講が唱えられました。
続いて、正法寺( 曹洞宗 )のお坊さんたちによって、能舞台となる本堂を清めるためのお経が唱えられました(浄道場)
その後、能楽研究家の増田正造さん、正法寺住職 谷地田老師により、佐渡に配流された世阿弥についての考察や、瀬戸内寂聴の小説「秘花」に書かれている世阿弥についてのエピソードなどについて対談講演が行われました。
… いよいよ、ろうそく能の始まり。
暗い舞台に次々とろうそくが灯されていき、厳粛な雰囲気に。
約200人の観客は固唾を飲んで・・。( 公演中は撮影できません )
ワキの漁師の白龍が登場、松の枝に美しい衣(天女の羽衣)を見つける。ついで、シテの天の乙女が、「それは天の羽衣と言って、人間に与えるものではないので返してほしい」と頼む・・・・。
白龍は天人の舞を見せてくれるならば、衣を返そうと約束。こうして、天人の舞楽が舞われる・・・、という筋書き。
「羽衣」は、素人でもわかり易く、よく演じられ馴染みのある演目。
シテの観世流 松木千俊さんは、国の重要無形文化財(人間国宝)に指定されている方。
さすが、さすが。 佐渡に来て、能を観る機会が幾度もありましたが、初めての驚きかな? とても楽しい演出と、素晴らしい能舞台でした。
終演後は、正法寺の寺宝で世阿弥が使用したと伝えられる、県内最古の面である
「 雨乞いの面:神事面べしみ 」を見せていただきました。
神事面べしみの解説。
迎え入れの演出はとても華やかでわくわく感いっぱいでしたが、終演後の境内はとても暗くなっていて、駐車場までの僅かな距離が不安でした。
運営の方にお願いできるなら、足元を照らす配慮をいただけると嬉しいのに…と感じました。
佐渡の田舎で能楽ライブ (^_^)v 薪能やろうそく能と、いろいろな趣向で楽しめます。
2009年秋、佐渡へ移住。
「佐渡の特産を使い、昔から食されてきた柿餅を、佐渡のお菓子として多くの人に知ってもらいたい」という想いから、商品化に乗り出しました。
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