両津から車で約20分、山のふもとにある安養寺という小さな集落があります。その集落の鎮守「羽黒神社」はわずか11戸の氏子により守られています。
その羽黒神社で、「安養寺 山里ものがたり」というちょっと面白そうな催しが行われると聞き、興味津々訪ねてみました。
神社は民家も見当たらない集落の奥にあります。普段はほとんど往来のない静かな場所に、多くの見物客が訪れました。路肩は車の長い列。
神社は緑に囲まれ、うっかりすると通り過ぎそうになるほど。お社は階段を登ったところにあります。
境内は御神木の大杉が囲み、静寂の中、時折風の音が響きわたります。まるで天狗が降りてきそうな雰囲気です。
茅葺のこじんまりとした能舞台は、佐渡で一番小さいそうで、以前は薪能も開催していました。
この日の祭事は、氏子たちによる豊穣祈願の集いで、私たちはその”おすそわけ”をいただいています。
奉納される芸能は文弥人形に民謡、民話語りなどの伝統芸能から、仕舞や舞囃子、雅楽といった能舞台にふさわしい雅なものまで、幅広く他に見ないほど充実しています。
佐渡でも人気の安養寺米。澄んだ空気と豊かな水が美味しいお米を育みます。お米の他に地場産の野菜の販売も。
祭礼は元教育長(!)さんによる法螺貝でスタート。
常盤座さんによる文弥人形。佐渡にも縁のある「山椒大夫」。
民話は地元金井に伝わる「持特院お松」のお話。語り部の吉田さんの世界に一気に引き込まれます。
一つひとつの所作が美しい舞囃子。太鼓と小鼓の音が山里に響き渡ります。
民謡は「苗取り唄」と「砂金音頭」、どちらも佐渡の生活や文化から生まれた唄と親しみやすい踊りでした。
雅楽の音が、自然の中に美しく溶け込みます。
こんな素晴らしい祭礼を見せてくれた安養寺集落ですが、氏子の大半が高齢者で、存続の危機を迎えている”極限の集落”です。
課題は山積していますが、一方で安養寺集落に惹かれてIターンや島内からの移住者も出てきました。
そんな彼らによる仕舞の披露。
今回が初舞台ということで、緊張がこちらまで伝わってきましたが、無事役を務めあげました。
今後の彼らの活躍に期待ですね。
来年も、そして再来年も、この催事を見に来たい。そんな思いにさせてくれた祭礼でした。
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